理事長挨拶
理事長挨拶

本学会は,山本悦秀前理事長のもとに法人化をはじめ,関連学会との共同・連携のもとに「口腔癌診療ガイドライン」の策定,「口腔癌取扱い規約」の作成,がん診療専門医(歯科口腔外科)資格の獲得など,学会の基盤づくりが行われて参りました。今後は,これまでの学会運営方針を踏襲しつつ,その基盤整備を行うとともに,本学会の目的とする口腔腫瘍に関する学術の進歩・発展を図るとともに,法人として,わが国の口腔腫瘍治療の更なる向上を図って行くつもりです。
そのためにも,学術大会は大会長と学術委員会の意向を尊重しつつ,口腔腫瘍に関する知識基盤,臨床基盤に関する研究成果を発表する場から,一歩進めて,今まで以上に活発に討論・討議し,研究成果の学術的価値を高め,それらを広く社会に公開・発信する場にするなど,学術集会の実質化を図って行きたいと思います。また,口腔癌取扱い指針,口腔癌診療ガイドライン,歯原性腫瘍治療ガイドラインの各ワーキンググループの活動を継続的に支援・推進し,本学会の学術研究の成果を社会に還元して行きたいと思います。なかでも,歯原性腫瘍ガイドライン作成は本学会の急務の課題であると認識しています。
一方,法人化した本学会が果たすべく社会的責任として,国民が安心して口腔がん治療が受けられるような口腔がん専門医制度を構築し,実施することが挙げられます。がん治療認定医機構で歯科医師にもがん治療専門医(歯科口腔外科)が承認され,その専門医も着実に増加しつつあることから,口腔がん治療を専門とする口腔がん専門医制度に向けた検討をさらに推進する必要があると考えています。現在,口腔がん専門医制度の基本としては,がん治療専門医(歯科口腔外科)との二階建て制度が検討されていますが,幾多の克服すべきハードルはありますが,関連する学会・機構と調整と連携をはかりつつ,制度設計・整備を進めて行きたいと思います。
専門医制度の検討と並行して,若手の口腔腫瘍臨床家,研究者にその魅力や意義等を理解して頂くための教育研修の充実をはかり,人的基盤の拡大を図ることが必要と思われます。人材育成こそ,口腔がん専門医制度の根幹になるものと思われます。そのために新しく教育研修委員会を設けて,教育研修会の開催等について検討して行きたく思います。
また,日本歯科医学会の専門分科会あるいは認定分科会に加盟することが喫緊の課題であります。そこで日本歯科医学会加盟推進委員会を設置し,加盟に向けて検討する予定です。
学会誌の充実はいわば学術団体の基盤でもあります。多くの和文誌では掲載論文の確保が共通する課題となっていますが,本学会誌でも同様であります。今後,編集査読委員会を中心に,論文の投稿や掲載を促進すべく,論文査読の迅速化等の改善・改革を図って行きたいと思います。
以上,微力ではありますが,各種委員会を通じて学会の充実・進歩・発展のために誠心誠意努力致す決意でいます。理事,評議員諸兄はもとより,会員諸氏のご理解とご協力をお願い申し上げます。
平成23年3月
一般社団法人日本口腔腫瘍学会
理事長 小村 健