日本口腔腫瘍学会は、1983(昭和58)年に大分市で開催された口腔腫瘍懇話会として誕生し、2008(平成20)年には四半世紀を迎えます。会員数は1200名で、口腔外科を中心に、歯科放射線、口腔病理の各専門家等により構成されています。このように口腔外科関連学会としては中規模ですが、取り扱う範囲の広さ・内容の深さからは大変重要な位置にあると言えます。

 さて、我が国における近年の癌患者の増加により国民の癌および癌治療への関心が高まり、昨年6月17日に癌対策基本法が可決され、本年2007年4月1日より施行されました。その具体策の一つとして、各都道府県に癌治療拠点病院を指定し、治療レベルの「均てん化」を図ろうとしているところです。

 口腔腫瘍の代表的なものは口腔癌であり、組織学的には扁平上皮癌です。口の癌は手で触れ、肉眼で観察できるのも関わらず、口腔の解剖学的複雑性から、その診断と治療には基礎的研究を含めなお充分な検討が必要です。本学会ではこれらの諸問題について熱心に討議を重ね、大きな成果をあげてきましたが、今後は上記のように本邦で高まっている国民の癌への関心に応え、口腔癌を含む各口腔腫瘍において、よりレベルの高い情報や治療法を提供していかねばなりません。その点で、現在精力的に進められている口腔癌や歯原性腫瘍の治療ガイドラインの作成と共に、多施設共同研究も求められています。

 口腔癌の第一発見者は一般開業歯科医であることが多く、従って、大学病院や一般病院の歯科口腔外科は歯科の先生方との病診連携をより一層密にして口腔癌の早期発見・早期治療に努める必要があります。こういった目的のために、このホームページを本学会および会員相互の情報交換等に有益に活用していた
だければ幸いです。
                       2007年2月
                
日本口腔腫瘍学会理事長 山本悦秀